キャラソンとアイドルソングについて

アイマス界においての、キャラソンとアイドルソングの話です。

アイドルマスターというジャンルは、「アイドル」の要素と「2次元」の要素を兼ね備えたジャンルです。と同時に、2次元と3次元の区別が曖昧なジャンルでもあると感じています。そのことについて書きます。
個人の意見ですので、ご了承ください。

【キャラと声の話】
アイドルマスターに出てくるアイドルたちには、当然のことながら声優が声を当てています。
しかし、そのこととは関係なしに、キャラクターというものはそこに存在します。これは、漫画や本などで声がなくてもキャラがそこに存在することができるのと同じように、声がなくても、アイドルマスターの中のアイドルたちは存在できるということです。
しかし、彼女らはアイドルです。アイドルは、歌って踊らねばなりません。トークもすれば、バラエティにも出るし、その世界の(それが現実世界でなくとも)テレビのひっぱりだこになったりするわけです。
そういう活動の上で、声は必要不可欠なものになってくるわけです。そうして、キャラ達に声が付きます。

しかしですね。普通のアニメやドラマCDなら、ここに問題が生じてきます。
いわゆる「想像してた声と違う!」ってやつです。これによって、私たちは無意識に「キャラ」と「声」を別のものとして認識することができます。
そうなることによって、少なくとも私はキャラソンというものの存在を受け入れることが出来ると思っています。
だって、少年漫画なのにいきなり「君と目が合って  息が止まりそうになる」とか歌い始めるじゃないですか。君って誰だよってなりません?私はなります。
なので、それは「声優が歌ってる」っていうことを心のどこかでちゃんと分かっているから、キャラ崩壊気味キャラソンってやつを受け入れられるような気がするんです。

【キャラと声の一体化】
いきなりこんな話をして、何が言いたいかというと、「アイドルマスターの声優さんたちはキャラに声が合いすぎている」ってことです。
つまり、先ほど述べた、「キャラと声を別のものと認識」できなくなる。ということです。

これが何を引き起こすかというと、「解釈違いのキャラソン」です。
はあ?って感じですね。キャラの崩壊したキャラソンが出たな、という感覚ではなく、アイドルの物語性の解釈が公式と違う、という感覚に陥るわけです。
キャラと声の完全一致によって、「キャラ=声優」現象が少なからず起こっているように思います。これは、アイマスに限らずラブライブナナシスなどでもそうだと思います。比較的綺麗で、若い方が声を当てていらっしゃることもあり、キャラの声で、キャラの衣装でステージに立たれれば私たちは「キャラ=声優」と錯覚してしまいがちです。
そうすると、ここで、普通ならただの「キャラソン」であったはずのものが「アイドルソング」になるわけです。3次元のアイドルと同じように。

【キャラソンとアイドルソング】
私事ですが、私は3次元アイドルヲタクなので、実際のアイドルたちの歌を聴く機会も多いです。その経験(?)も踏まえつつ、思ったことを書いていきます。

先ほど「キャラソンであったものがアイドルソングになる」と述べましたが、ここまで来てもそれでも「これはキャラソンだわ……」となる歌は存在します。例えば、極端にアイドルの経験や成長を具体的に歌った歌。アイドルには、コンセプトは存在しても基本的に自分のことを歌詞にはしません。多分。恋愛ソング歌ってるアイドルがみんな恋愛してたら私は身を投げます。
まあそんなわけで、そういう具体的な経験を語るような歌はキャラソンなわけです。
次に、「キャラソンっぽいけどアイドルソングとしてもいける」歌。これがあるので、解釈違いが起きます。これをキャラソンとして頭に入れてしまうと、「ん?」と思う人も出てきます。あの子はこんなこと言わない、こんなこと思ってない、こんなにデレないはずだ!など。桜庭……。まあいいです。ここで苦しんでしまう方々は、これらの曲を「アイドルソング」と認識することをおすすめします。
アイドルらしいアイドルソングもありますが、ここでもキャラと声の一致による問題が起きます。今度は逆に、「これは彼女の想いを綴ったキャラソンか?」と錯覚してしまう問題です。
どう考えても明らかにアイドルソング寄りなのに、もしかしたら過去にこういう経験をした…?と思ったり、自分の思ってたことと違うことをキャラは思ってたのかと思わせたりするものがあります。
分かりやすく言えば、「誰にも言えない恋をしているの  でももうお別れね…」みたいな曲があったとして、「これはプロデューサーに向けた歌か?」と考えるようなものです。実際曖昧ですが、普通のアイドルであれば作詞作曲は彼女ら自身ではありませんし、具体的な話もないのにプロデューサーに向けたものではおそらくないでしょう。

こうして、アイドルマスター界が次々と良曲を生み出す一方で、一部のプロデューサーたちは曲を理解できず辛い思いをしてしまうのです。

ここまで言って何なんだというと、これは自戒です。
アイドルとしての桜庭薫はあれでよかったんだ!!!!あの曲は彼がああいう声を指示されたから頑張って出しただけなんだ!!!!あれはアイドルソングなのだから!!

って感じです。
蛇足ですが、無意識下の「キャラ=声優」な風潮に、私は少しだけ違和感を感じます。


乱文失礼しました。
ありがとうございました!